劇団AUN 第23回公演 『桜散ラズ…』 初日お伺いしてきました

相変わらずタイトルに全部書いちゃってここになに書けばいいかわからなくなる系のいきもの、しずこ ( @cigarillolover ) です!!

6/22(水)~7/3(日)まで上演されまして、すでに土日のチケットは売り切れですが平日はまだまだお席があるとのこと。ネットで買える前売り券は「上演当日の0時まで・現地支払い」で予約できますよ!! べんり!!

 

 

市村直孝さん作の、「日本人と戦争シリーズ」第三弾になります。相変わらず、「過去と未来と複数の視点を行ったり来たりしながら」「否も応もなく、戦争というものに巻き込まれた市井の人々」の、「こっからここまでを切り取ってくる」御本でした。

今回の「行ったり来たり」役は、松本こうせいさんの演ずる和田健一さん。前作『黒鐵さんの方位磁石』のときとは少し体裁が異なり、舞台上では「ケン坊」としてその和田健一さんの若いころが別途存在しまして、こちらは山田隼平さんです。

この現在の和田健一さんはアルコール依存症で、一応無料の自助グループに顔を出してはいるものの、まったく断酒のできていない状態なのですが、さて、そんな彼の過去にはなにがあったのか……そしてそんな彼の未来はどうなっていくのか……。

ちなみにこの和田健一さんの、父方の祖父が吉田鋼太郎さん演じる和田鶴松さん。そして母方の祖父が大塚明夫さん演じる栗山安成さんです。なにこのぜいたくな家系!!

 

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役者さんを役柄のイメージで固定するわけでは決してないのですが、それでも自分の中で松本こうせいさんの印象が『有馬の家のじごろう』の時の生真面目そうな2代目さんでしたので、今回のアルコール依存症で酒瓶を抱えたままの姿はそれだけでなかなかショックな感じがありましたネ。

そして、そのアルコール依存症の健一さんがでれんでれんになりながら眺めているのが、彼の生家である「和田鉄工所」の40周年。ただしこれは、「彼の中で幸福だった唯一の基点」というわけではなく、まあいろいろあって、本人は実家に対して(というか実父に対して)反抗的な状態です。

と、ここまでは舞台背景であって「ネタバレ」という部類には触れない……と思うのですが、まだまだ日程的に折り返しにもなっておりませんので、本筋について触れるのはここまでにしておきます。一応、このあたりは冒頭の10分15分の状況説明でしかないので、そういう点ではご安心ください。

 

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んで、わたし、これTwitterの方では先に触れたのですが、ここのね!!! 和田鉄工所のシーンね!! すごい好きなんですよね!!

この鉄工所は家族経営で、第2次世界大戦に整備兵として出兵し、その後復員した和田鶴松さんの興した工場なのですが、息子の正治さん(北島善紀さん)、広嗣さん(谷田歩さん)の他にベテラン工員の鈴木源三さん(岩倉弘樹さん)、そしてもうひとり笹川良介さん(谷畑聡さん)が社員として働いているのです。

で、ここがすごく巧みだなあと思ったのは、「40周年」というシチュエーションにあわせて、会話や態度の中で自然に「和田鉄工所」の中の様子を見せてくれることなんですね。

特に谷畑聡さん演ずる笹川良介さんは、人の顔を覗き込みながらダブルピースでイエーイイエーイってやるようなお調子者っぽい感じの人なんですけど、その良介さんに対する反応が「いい年してこいつは」ってんじゃなくて、「若いのはこれだから(笑)」っていう感じがあるんですよ。

でも、別に良介さんは若いわけでもないし、本人も「若手」って言われて明るく否定してる。じゃあこれがなにかって言うと、「あ、良介さんはずいぶん若い頃からこの鉄工所でお世話になってて、そんでまわりの印象が、まだその “良介は若いな” ってののままなんだね」っていうのを感じるわけです。

 

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んでもって、そのお調子者っぽい良介さんも、社長の鶴松さんがコメントしますよって時になったら、額に巻いてる手ぬぐい? バンダナ? をするっと外して社長に向き合うわけです。

わたしここでむやみに感激してしまって。

「目上の方がご挨拶されるのだから、帽子の類は外す」っていうマナーが残っている時代だなあ、そしてそれが自然に身についている良介さんすごくいいなと思いますし。そういった点も含めて、「ずっとかわいがられて成長したんだろうな」っていうのが察せられるポジションなのがまた、すごくいいんですよね。

このへんが大仰ではなく、説明っぽくもなく、「いや40周年めでたいねめでたいね」っていう雰囲気でみんなでわちゃわちゃしているシーンの中で補完されてる。こういうところがほんと素晴らしいなと思います。

 

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あと、『有馬の家のじごろう』のときも思いましたが、「水」をそのまま使ってくださるのほんと好きです。

もちろん舞台は舞台ですから、「そこにはないものをあるように振る舞う」っていうのも技術だと知ってはいますけれど。じごろうのときの、シンとした空間に聞こえるお酒を注ぐ音……ですとか、今回の「いやーおつかれおつかれハーくたびれたー ”プシュ” アーーーーーー」っていうこの ”プシュ” がとっても大事!!

お見送りの時に聞こえたんですけど、あれはノンアルコールビールの缶をそのまま、銀色の用紙でコーティングされているらしく、要はほんとにビールを開けている時の「プシュ」なんですよね。その「プシュ」で感じる生々しさ、リアルさがぐん!! と増すので、そういうところがとっても好きです。

さらに言うと、健一さんはお酒に逃げてしまったわけですけれども、その同じ舞台・同じ世界観の中で、普通にお酒をいいものとして扱ってる。そのバランスがね、とってもいいなと思います。

しずこがのんべなだけじゃねえ? って、自分でも思います。その通りです。

 

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さてここから、具体的なネタバレというものではなくとも、劇全体に対する感想なのですが。

複数の視点の物語が交錯しつつ、過去と未来も交錯しつつ積み重ねられていく物語がいったいどうなってしまうのか……という筋立てではあるものの、個人の印象としては「別にどうにもならないお話なんだな」と思いながら見ていました。

こういうと、なんだか悪く言っているようにも聞こえるかと思いますが、決してそうではなく。

物語が最初から最後まで流れても、変化も、救いも、進展も、そこまで大げさなものはない。わかりやすく差し伸べられる救いの手もなければ、状況をがらっと変えてくれる強者も現れない。どんでん返しもなければ大団円とも言いがたい。

ただ、ある人の人生の「こっからここまで」を見せただけ。A地点からB地点へ移動しただけ。

けど、そこにはほんのりと日の当たった瞬間が確かにあり、その日の当たったところがほんのりと温かいと感じるためにはそこまでの過去が必要であり、ただ日が当たったことがじゃあなんなのさ、と言えなくもないけれど、でもそれは絶対に「絶望」なんかではないっていう、たったそれだけの優しさ。

それがなんというか、日本人としてのこちらに沁みてくる御本だなあ……と思うわけですよ。

 

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さてさて、触れたいところは他にもたくさんあるのですけれども、ちょっと現時点でいつもより文字数!! ってなっていますので、一旦ここで切ろうと思います。

もうちょっと「オススメデスヨオ」って文章にしたかったですけど!! ムリだった!!

でもいつもの「こここうすればよかったのに魔神」がこういう文章を描いてるっていうところで、察していただければいいなと思います。

 

 

中盤まではとってもよかった『バチカンで逢いましょう』感想 ③

『バチカンで逢いましょう』感想の続きです~。ラスト!!

 

 

と、いうわけで、登場人物を「完全に善人でも悪人でもない、いいところも悪いところもあるただの人間」として描き、それでも物語を動かすために必要な動機付けや、視聴者の心理の誘導を巧みに行い、感情を極端にどちらかに傾かせることなく軽快に描いていったここまでのストーリーが……。

保守的で融通がきかないおばあちゃんが徐々に「自分」というものを見つけ、人生を取り戻していくさまが……この設定のおかげでぜんぶ「どうでもいいかな」っていう積み重ねに……。

ウワアーもったいない。

いやこれね、ここまでマルガレーテのことを見事に描いてきたなら、「イタリア人ミュージシャンとの一晩」なんて設定いらなかったと思うの。

せめてマリーはちゃんと夫婦の子供であってよかったし、それどころか「イタリア人ミュージシャンのライブに行って一晩だけ心を奪われてしまった」っていうことを悔いてる、ぐらいがっちがちに保守的でもよかったと思うの。

身体的なことはなにもなく、ただ一晩心を奪われたことを、配偶者の死亡により「結婚のきずな」が解消されたあともそれを悔いている……だったらクッソかわいいおばあちゃんだし、マリーだって認められると思うんだけど、なぜここでマリーのアイデンティティをぶっこわすようなことをぶちこんで来たか……。残り30分だよ……。

 

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と、いうわけで、開始から55分まではとっても面白かったです。

あとはたらたらっとその他の部分なんですが、ここまで「過保護過干渉」にしてきた親子三代の決裂・話し合い・和解が、料理をしながらの怒鳴り合いだけで済まされてしまったのが軽すぎること。結局母も子供も説得できず、「家にいればよかった」と言い捨てたマリーへ「とんでもない」以上の言葉がかからなかったこと、なんかも気になりました。

このシーンでマリーの言う「好きにして結構よ」は、決してマルガレーテやマルティナの意思を尊重したからではないと思うのですが、二人はまるでなにかの赦しを得たかのように喜びますし、その後にマリーが「わたしはどうしたらいいの」と言った時に今更のように驚くんですよね……。

開始当初のパワーバランスだったら、このシーンは「納得しようがしなかろうがマリーが折れた!!」で爽快なシーンにもなったでしょうが、この時点で一番傷ついてるのってむしろマリーじゃないですか。

「家にいればよかった(=来なければよかった)」に対して「とんでもない」はいいですよ、正しいですよ。でもそのあとに、マリーに対する心からの言葉がなにかしら必要だったはず。そこをスルーしてしまったのがなんだかな、と。

 

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あと、ここまででまったく触れませんでしたが、孫娘のマルティナは彼氏の浮気現場を見てしまい、別れを選ぶんですね。シナリオ上元の鞘に収まるんだろうなあと思って見ていたのですが、そうではなく、はっきりと男のことを拒絶したのが新鮮でした。

「一人の人間を愛するって勇気がいること」「あなたにはその勇気がない」「あなたという人間がわかった」「自分を大事にしたい」って、未練が残ってる状態で本人を目の前にして言えたもんじゃないですよ……マルティナ強いしいい女だ……。

まあ、ラストの近くでやっぱり復縁するだろうなっておもいっきり匂わせてますけどね。

 

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あとはやっぱり「いろいろ詰め込みすぎかな~」とか、最初ロレンツォとディノの関係性がわからず、ディノの母親の話が出てきた時点で「エッロレンツォひょっとして重婚になる?」って思ってしまったりとか(※こんなクソ勘違いはわたしだけかもしれないですが、初めて画面上でロレンツォとディノが会話するときに「叔父さん」って一言入れればいい話かと)、マリーが空港で薬を飲んでひっくり返ってるシーンの無駄なロマンスの兆候やマルティナの花嫁ダンスなんかの「これ必要だった?」的なシーンだったりいろいろと、気になるところもちらほらありました。

最初にもちょっと書いたけど、「そもそもなんでロレンツォがマルガレーテのことをかばったのか」ってのもありますしね……。

まあこのへんは、後から「感想を書こう」と思って出てきた部分なので、これらがすべて視聴中に気になってしまうかっていうのとはまた違うとは思います。

 

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さてなんだよこの文字数、になった感想ですが、ここでは触れていないロレンツォとのやりとりや、そのロレンツォの甥のレストランに関わっていくシーンなんかが「面白い55分」の中にありますので、そこまでだったらほんとにおすすめなんですよ、この映画。

実際見始めてしばらく、「ウワーすごいなシナリオ巧みだな、これは久しぶりに “自分の中で好きな映画” が入れ替わるかも……!!」ってくらい期待して見ていたんですから……さすが20世紀フォックス、GAGAとは違うぜって思ってたんですから……!!

そしてここまで書いてて最後にblog記事にするとき、原題を調べて『OMAMAMIA』だと知ったとたん「アッハイマンマ・ミーア! の流れなんですか了解」って思ったので、これを最初に知っていたらもうちょっと違った感想を得たかもしれません。ほんと最初に知りたかった。

 

 

 

 

 

中盤まではとってもよかった『バチカンで逢いましょう』感想 ②

『バチカンで逢いましょう』感想の続きです~。

 

 

しっかし、「私のベネディクト」というほどの信仰があるマルガレーテが紆余曲折あるとはいえ法王にコショウスプレーをぶっかけてしまうのもすごい展開だと思うし、それを長々引っ張らず次の展開ですぐ解決しちゃうのもすごいし、なんというか思いがけない展開にするけど、その不快感を引っ張らずにサッ!! と回収して、すっごくお気軽に見せてくれるっていうのもまた巧みだなあ……と。

1時間位は「ワーオモシロイナー」って楽しんで見てました。

が。

話の展開がそこそこスムーズなので、それを阻害するのがすべてマルガレーテの腹積もりひとつなんだよなあ……と気付いてしまうと、ちょっと微妙さを感じないではないんですね。

そして、最後まで見ていくと、そのマルガレーテの行動に果たして一貫性があったのかどうか……という点にも疑問が出てしまうので、結局総合的な評価としてはこのあたりからじりじり下がっていく印象があります。

 

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途中の紆余曲折ははぶきまして、結局「マルガレーテの罪ってなんだったの?」なんですけど、わたしこれが一番納得できなくてですね。映画の感想が「結局この映画ってなんだったの?」になりそうなくらい困ってしまったんですけど。

ええと、作中でマルガレーテはなにがなんでも法王からの赦しを得たいので、「賭け事に負けたので法王の祝福を得て運を取り戻したい詐欺師」と偽装結婚的なことをして、新婚夫婦にローマ法王が祝福を与える場に乗り込むんですけど。

それですべてが丸く収まりそうなのに、結局「結婚の誓いは神聖なものだから」といって融通をきかせることもできず逃げ出したマルガレーテ、孫娘の彼氏を「孫娘を抱きかかえているから」フライパンで殴り倒したマルガレーテ、娘夫婦のセックスの声が聞こえてきて悪魔祓いみたいに十字架を振り回していたマルガレーテが、

「カナダに移住する前にイタリア人ミュージシャンと1回だけ浮気して孕んだのがマリー」

とかいう秘密を抱えていたってどういうこと?????

どういうことなの?????????

 

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あのお、これですべてがだいなしなんですよね!?!?

作中で、その詐欺師……詐欺師なの? まあ詐欺みたいなことをしなくもない老人・ロレンツォに、あきらかに恋をしてしまうマルガレーテ、「法王にコショウスプレー」の罪をごまかすためにロレンツォからキスされ戸惑うマルガレーテ、そういう可愛らしさも、孫娘の恋が受け入れられないマルガレーテ、そういう今まで積み上げてきた「経験な信者過ぎて保守的なおばあちゃん」というマルガレーテの人物像も、これですべてチャラになってしまった!!!!!

保守的で身持ちが堅いおばあちゃんが、よりによってチャラいイタリア人男性に絆されて変化していくコメディタッチのラブ・ストーリー……と思ってみていたのに、「むしろ、こうなる素養ありありだったんじゃん!!」ってなってしまう、これがラスト30分前!!

もう1時間以上、マルガレーテのことを「保守的でウブなかわいいおばあちゃん」と思って見てきたのに、ここでまさかの裏切り!!

 

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いやまあ、「こんな罪を隠していたからこそ、経験なクリスチャンであろうとしたのかな……」とかいろいろ考えられなくもないですが、それなら「婚姻の秘跡は神聖よ」っていう言葉をやたらと使わせたのはどうなのかな……と……。

双方がうまくいくであろう提案を、やっぱり宗教的な教えで拒否してしまう、それは別にいいんですよ。ここまで見てきたマルガレーテのキャラクターならむしろありですよ。まあ、見ていたわたしとしては「着飾って教会まで来ておいて今更なにを言ってるんだろう」ってなってしらけちゃったシーンでもありますけど。

でも、その「神聖な秘跡」を過去に侵したのは自分じゃん……。ぶっちぎりで「婚姻の秘跡に対する重大な罪」じゃん……なにを今更……。

 

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ちなみに耳慣れない言葉なので「婚姻の秘跡」について調べたのですけれど、見ているとまあカトリックの人にはとっても大切なことなんだなあというのは伝わってきます。でもそれなら、マルガレーテが偽装結婚の提案を受け入れた時点ですでにおかしいんだよね???

たとえば「法王にコショウスプレー事件からかばってやったのだから」って交換条件を持ちだされてどうしようもできないとか、そういうことならともかく、直前までそこそこノリノリだったのもあってどうにも腑に落ちないんですけど、まあそこを言い出したらこの話まったく成立しなくなってしまうので置いておきます……。

それを言い出しちゃったら、なんでロレンツォがマルガレーテのことをかばったのかって時点から根拠が弱いですからね……。

あ、感想はもう1回ほど続きます!!

 

 

 

 

 

中盤まではとってもよかった『バチカンで逢いましょう』感想 ①

タイトルやメインビジュアルでGAGAみを感じて「見たいけどGAGAかもしれないし」と敬遠していた1作なのですが、休みの日にお昼を食べながらあまりハードなものも見たくないしなァ……ってことでセレクト。

すっっっっ……ごいよかったです!! 途中まで!! 途中までは!!!!!

 

 

物語としては、「どうしても懺悔して赦してほしいこと」を抱えた老女・マルガレーテが単身ローマへ向かい、「法王の赦し」を得ようとする過程で知り合った詐欺師まがいの老人と恋に落ち、過保護で支配的な娘・マリーから脱却する……みたいな流れになります。が、これがうまくまとまっているとは言い難いかな……。

ここでは三世代の女性が登場し、母であるマルガレーテとその娘マリー、母であるマリーとその娘マルティナ、祖母であるマルガレーテとその孫マルティナの関係が絡み合ってくる感じになります。そして基本的にこの「マリー」が、過保護で過干渉。

で、この「過保護で過干渉」から祖母と孫が抜け出していく話と、「過保護で過干渉」によってマリー自身の夫婦関係がこじれて元通りになる過程と、それとは別に祖母と孫のそれぞれの恋愛事情と、マルガレーテの抱えている罪の話と……というのがブレンドされて話が展開します。

なので結構ごちゃごちゃしてるかも。

 

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見ていて前半ウマイな~と思ったのは、最初にマリーのひどさを描くことで迷わずマルガレーテに感情移入できるつくりになっていることです。

「老女の独居はムリだから娘が引き取る」というまっとうな行動かと思っていたら、本人に無断で老人ホームに入れようとしているし、それを告げるのは家を出た車の中でだし、マルガレーテが楽しみにしていたローマ旅行は勝手になかったことにしているし、敬虔な教徒であるマルガレーテへ「バチカンドットコム」で買ったローマ法王の赦しを与えてそれでいいと思っているし、ローマ旅行は「80歳の誕生日に行けばいい」とかまったく叶える気のないことを言って相手が納得したと思っているし。

そのマリーの夫も義兄弟の彼女のオッパイをガン見したり、義母を引き取ったその日もセックスしようとしたり、すべてが他人事だしでちょっとろくでもなさすぎる。

こんなのが開始10分。

マルガレーテがんばれとしか言えない。ちょう応援する。ここがすでに見事なわけです。

 

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そしてさらに見事だなと思ったのが、マリーに対する反撃がすぐに行われること。

引き取られて裏切られたその翌日には速攻、マルガレーテは単身ローマへ向かっており、しかもその航空券を取ったのはマリーの小学生ぐらいの子どもたち。しかもマリーのクレジットカードで。さらに「おばあちゃんの家を買ったお金を借りたままなのになにが問題なの?」という正論つき。

マルガレーテが失望するさまをたらたら描くのではなく、フラストレーションも即解消させてくれる。なかなか見事なつくりだなあ……と。

そしてマリーの過保護っぷりと、「自分が良かれと思っているルールの中で自分が良かれと思って相手を護る」ためには人の心など気にしないところがいくつか描かれていくわけで、より一層「マルガレーテがんばれ!!」が増していきます。

 

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かといって、「マリーがこの作品の悪者!! マルガレーテは善!!」という描き方でもないのがまたお見事。

ローマで暮らしている孫娘・マルティナは、ロックバーで働き、そこで歌っているシルヴィオと同棲中、かつそのことをマリーには黙っているわけだけれど、やっぱり頭の堅いところもあるマルガレーテは「彼女なりの善」で孫娘の生活を荒らすわけで、マルガレーテだってそこそこ迷惑という部分もちゃんと描いてる。

さらにはマリー以上にどうしようもなくすら見えるセックスセックスの夫・ジョーだって、きちんとマリーのことを愛していて、彼女が振り回されて笑顔がなくなっていることを心配しているのに「最近セックスしてないからでしょ」的に言われてしまうし、結婚記念日は忘れられるし、結婚記念日に用意した薔薇の花瓶はマリーによって台無しにされてしまうし。

こんな感じで「誰が善・誰が悪」ではなく、「全員そこそこどうしようもないけどまあ話の流れで自然とマルガレーテを応援しちゃうかな」っていう作りはほんとに巧みだなあ、と思ってすごく感心して見ていました。

続きます!!

 

 

 

 

 

お茶の水「こうや麺房」さんでワンタンメンをいただきました

突然ですけどしずこはぷるぷるちゅるちゅるした皮が好きです。具体的に言うとワンタンと水餃子です。その皮。あとオムライスの皮も好きです。皮好き。イエイ。

 

 

imageというわけで、都内のお店などを紹介しているblogで知った、お茶の水「こうや麺房」さんへ行ってまいりました。駅から少しだけ歩きますけど、駅前から1回曲がるくらいで到着しますので迷いはしないと思います。

お伺いしたのは平日昼13時。めちゃくちゃお昼時なので、駅周辺はお昼に出られたのであろう制服の方とかがたくさんいらっしゃいました。店内にもスーツ姿のおじさまがたがちほらと。ラーメン屋さんにしてはそこそこ広めの店内なので、混んでいるというような感じはありません。

本来はメニュー4P+壁に貼ってある諸々とたいへん種類豊富なのですが、ランチタイムは制限がありA4片面1枚の中から選ぶことになります。おつまみ、サラダ、炒め物は全滅。まあ最初からワンタンメン一択だったのでいいっちゃいいんですがちょっと寂しいかも。

 

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スープはしおベースで結構単純なお味。麺は細ストレート。トッピングは味玉、ノリ、メンマ、チャーシュー、小口ネギ。あとはワンタンがたくさん!!

メンマはやわらかいタイプで味も控えめ。味玉は変な甘みがなく好きな味でした。ただ黄身はパッサパサ、で、まあ若干のえぐみはあります。チャーシューは薄いタイプでとてもふつう。特筆すべきところはありません。

麺とスープは特にからむからまないといったクセはありませんでした。というか、スープがしお味、麺も少ししょっぱめということで口の中であまり違う味がしないからそう思ったのかも。よい言い方をすれば、統一感があります。

 

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ただですね、肝心のワンタンですが……。これがしょっぱいです。「うあっしょっぱい」っていうしょっぱさではなく、保存食的なしょっぱさ。表面上のダイレクトなしょっぱさではなく、素材そのものに浸透している系の塩みですね。

なので、スープが塩、麺もそこそこ塩みがあり、メインの具材であるワンタンもしょっぱい……となると「すごいのど乾く系の味だなあ」という印象です。実際に乾くわけではないですけど。結局単調な味でしたね。

また、ワンタンの閉じ方が「ねじり(いわゆる茶巾絞り)」なので、食べていて固いところがあるのがとっっっっっっても残念!! とぅるっとぅるのワンタンの皮をとぅるんって食べたいの!! という欲求が満たされない……!!

 

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写真2枚目でレンゲからはみ出てる部分ありますけど、とぅるんとしているのそこだけですね。固い。固い部分があまりに多すぎます……。いや別に食べれない訳じゃないからこの表現どうかと思いますけど「皮派にしてみれば可食部がすくない」という。

で、申し訳ないのですけれども全体的に塩一択のため最後の方は飽きてしまい、自分にしては珍しく残念ながら食べきらずに立ち去りました。再来店は……なし!!

むしろ、別のお店でとぅるとぅるワンタンたっぷりのワンタンメンがあったらお伺いしたいです……とぅるとぅるワンタン欲を満たしたい!! おすすめがあったらぜひ教えてください!!

食べた後「違うな~」って言い出す可能性そこそこ高いけどさ

 

 

 

 

 

トム・ハンクス主演 『ターミナル』 感想ラスト ④ 引き続き好きなところと、こうならよかったのになって話

 

 

あと、自分たちのためにニューヨークへ行くことを諦めたビクターのためにグプタの取った行動はすっごく泣けました……。冷静になるといろいろおかしいとは思うんですけど、それでも映画にどっぷり浸っている間はあのシーンはすごく泣けた。

そもそも怖いんですよ!! ボーイングにおじいちゃんがモップ片手に立ち向かっていく様子が!! ええええ何してるのおおおおおって。遠くからボーイングに向かって近づいていくグプタ……。

そして人が触ることをとても嫌がった「俺のモップ」でボーイングに接触するグプタ……。

銃を突きつけられても「アポは取ったのか??」というお決まりのセリフで飄々としているグプタはとってもかっこよかったです。

ただ、これも冷静になると、ビクターの友人3人まとめて解雇をちらつかせられたのに対して、グプタ一人だけが解決した(というか、自ら職を離れる行動を取った)だけであって、あとの二人の問題はなにも解決していないんですよね。

映像を見ていた自分たちと同じく、ショッキングな出来事で、残りの2人のことが頭から飛んじゃったのかな……と思うしか……。

 

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で、この「アポは取ったのか」に限らず、そこそこ天丼になっている要素があって、たとえば「待つ」という単言葉の頻出具合なんかも気にして見ると面白いんじゃないかな、と。

そう考えるとビクターの父親もサインを待っていて、ビクターはニューヨークに行けるまではなにがなんでも空港内で待っていて……ってなっていて、話の終わりにそれが叶うがゆえに、7年間男からの連絡を待っているアメリアも「やっと男からの連絡が来た」ってなってこそのモトサヤだったのかもしれませんね。そう思うとまあ……いやそれならそれでその描写ほしいですが……。

 

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で、最後に。蛇足でもいいから、エンドロールの最後ででも、強制送還を覚悟して戻ってきたビクターに対してディクソンが「1日ビザがあるのになんの話だ?」っていって、緑のハンコが押された紙でもぴらぴらしてくれてたらよかったのにな。

というわけで、前評判を特にチェックせずに見始めたものの、世間の評価がそこそこクールなのがよく分かる映画でございました。素材はいいのにどうしてこうなった。

いい映画だと思いたくて、視聴後数日頭の中でいろいろ転がしてみましたし、他所の感想にも触れましたけれど、まあ結局のところ「トンデモ」だったって評価したほうが落ち着きそうですワイ。

そして、トンデモだという感想に落ち着きそうなところで、むしろこのスペシャル・エディションでなにを話しているのかが非常に気になっています。でも今はこの映画に1,900円出したくはないな!!

 

 

 

 

 

トム・ハンクス主演 『ターミナル』 感想③ 引き続き気になったところと、あと好きなところ

 

 

この映画はトム・ハンクスでよかったんだろうなあというのはすごく思います。彼の「徹底して悪人じゃない感」で、目的もわからず言葉も喋れない(※英語が喋れないだけなんですが、彼はクラコウジア語すらほとんど発しませんし、発したとしてもそれに字幕がつかないので)=どんな人間かわからない、というのになんだか味方したいような気分にさせられるっていうのはもうすごいな、と。

もちろん視聴者は「このトム・ハンクスが主役だから」って目で見てはいますけれど、それにしてもこの手を差し伸べてあげたい感はすごい。

ただ……描写的にちょっと、知能の発達に障害のある人みたいに見えてしまうのが気になるといえば気になります。おそらくコミカルに描こうとして結果そうなっている部分もあるのでしょうが、それにしたって他国で立派に仕事もしていたであろう成人男性が入国審査で別室に連れて行かれてもすっごく呑気だとか、トイレの手洗い所で髪や体を洗うことに抵抗がなさすぎたりとか……。

放置カートを集めて、デポジットの25セントを回収するのだって、そりゃ生きていくためとはいえ最初はためらいとか抵抗があってもよくない? なんというかそういうのが全体的に希薄で、当たり前のようにそういった行動を取り始めるので、行動力があるとかそういうことより基本的な常識っていうのがわからない知能の方なのかなって見えるんですよ。

他人のパッキングを手伝おうとして、力任せに旅行かばんをぶち壊してしまったりとか、それに対して謝罪するより先に食料のチケットを追いかけたりとか……。トム・ハンクスでよかったとは思っていますが、この映画見ている間ずっと『アイ・アム・サム』のときのショーン・ペンを思い出していました。

そっか。この映画『アイ・アム・サム』か。じゃあファンタジーだな。

 

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ディクソン側というかアメリカ側が彼に必要なことを説明しようとしないのもこの印象に拍車をかけています。だって相手は他所の国でとはいえ、立派に生活されてる成人男性でしょ。たとえ言葉が通じなかったとしても、通訳がすぐに容易はできなかったとしても、もっとなんらかの歩み寄りはできたと思えてしょうがない。

それこそ辞書で単語を引き引き説明したりさ。ロシア語話者とそのまま話せるレベルなのだから、ロシア語の辞書でいいじゃないですか。空港内になかったら買いに行ったっていいじゃないですか。なぜ充分な説明をしないまま放り出すの? あれだけの事態が起きているのに。

ディクソンは、「英語を喋れないからわからない」っていう事実ではなく、「この男に理解する能力がない」と突き放しているようにも見えます。

そしてまたブラック・ジャックの文庫版未収録エピソード「しずむ女」を勝手に思い出していました。

というかね。ロシア語とクラコウジア語がほとんどそのままで会話できるというならね。

ロシア語の通訳用意すればいいんじゃないですかね?????

はあ~不思議。

 

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父親のために薬を持ち帰りたいロシア人が拘束されてしまったところで、ビクターが機転を利かせて「ヤギの薬だ」と言って、無事薬を持って帰れるようになる……というシーンは結構好きです。

が、それも「なぜロシア語というものすごいメジャーな言語の通訳が空港内に一人もいないのか」「通訳ではなくても誰か喋れる人がいないのか」「なぜ正規の空港職員ではなく、一般人であるビクターを呼びだそうと思ったのか」など、ほんのすこしでも冷静になるといろいろありえない感じなんですよね……。

あの場で、自分の首に刃物を当てるまでエキサイトしてしまった人に、一般人を差し向ける。それであのロシア人がどうにかなってしまったり、ビクターが怪我をしてしまった場合、「無国籍者を放置」以上に大問題になったと思うんですけど。

あと、あの場でディクソンが嘘でも騙されてくれないのが気になりました。ビクターに対して苛ついてはいたでしょうけれど、彼が嘘を言っていると思ったなら通訳を呼んででも裏を取ればよかった話で、あんなに簡単にカチ切れて異常行動を起こすようなシナリオである必要があったのかな~とは思いますよね。

 

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ていうか「自分に恥をかかせた異国人の指紋をコピーしまくる」ってなんか……かなり発想がヤバくないですか? しますか? 普通。犯罪者扱いじゃないですか、あれ。しかも、ビクターは別にディクソンの部下でもなんでもない。部下の指紋ならコピーしていいって意味じゃないですけど、なんでそう上から押し付けて自分の思い通りになると思っているのか。

一旦冷静になると、ディクソンがかなりヤバい人間ですよね……。最後にサインを拒否するところや、特に正当な理由がないのにビクターの自由を認めず帰国させようとするところも、「どういう権限があってどういう法的な理由であの指示をしているのか」が一切不明で。

上でも書きましたけど、「なんの落ち度もなくて法律を犯してもいない善良な一般人」に対して彼がああいう態度を取れる「根拠」はどこなのか……って考えると別に根拠なんてなさそうだし、やっぱ私怨か~怖いな~ってなりますよね……。

あれだけの状況に陥った一般人を、私怨でああまで締めあげたような人が、出世がちょっと遅れた以外になんの罰則もなく警備局長をやっているっていうのが物語とはいえ、恐ろしいです。

 

 

 

 

 

トム・ハンクス主演 『ターミナル』 感想② いろいろと気になったところなど

 

 

ディクソンの警備主任である中途半端な悪役感もそこそこ気になるポイントですよね。シナリオにとって都合のいいところで、その場その場の悪役をやらせているから、障害物としても一貫性がないですし。

どうせならディクソンをもっとがっちり悪役にしてしまって、彼の周辺の警備員たちを味方に取り入れるか(そういう状態だとしても、ラストのあのコートをかけるシーンはちゃんと感動的に仕立てあげることは可能だと思います)、もしくは立場上どうにもしてやれないだけで根はいい人にしてしまうか、どっちかに寄せてしまってもよかったように思えます。

最初のクーデターを知らせるシーンから、英語がわからない相手に英語でまくしたてて理解していないのに放り出す、食事を取れていないのがわかっていてなんの保護もしない、しかも出世主義のディクソンだけでなく、彼の周辺にいる警備員も同様で、ディクソンよりは多少同情的ではあるかもしれないけれど、なにをしてやるわけでもない。ただ見張ってるだけ。

最初っからビクターに接することになる恰幅のよい警備員さんなんて、いかにもほだされてくれそうだから期待していたんですけど……。

 

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見ていれば、ビクターにむしろ不法入国してほしいっていうことなのはわかるんですけれど、その点のアピールがいまいちなので「なんで放置してんのこれ」って不審に思ってしまうという……。

だって母国がなくなるような状況に陥った旅行者よ? それをあんな状態で放置するの?

途中から、立場上困ったことになったとか昇進に響くからやっかいだとかそういうことではなく、個人的にビクターが嫌いだ、みたいになってしまっているのもなんかなあ。他の方のレビューにあってとても納得したんですが、「敵対していたはずのディクソンが、最後の最後でサインをしてくれた」っていうような感じにしてくれたら、すごく粋だったのにな。

 

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そしてこれもまた他の方のレビューにあってとっても納得したんですけれど、「そもそもなんの落ち度もないビクターが法律を守っているという前提なのに、悪役や障害が必要だったのか」っていう感想。

それを言うとこのお話の大半が否定されてしまうんですけれど、言われて見ればそもそもそうだよねえ。

権力のある人は手をつくしたくてもなにもできることがない、保護して閉じ込めておくわけにも行かない。そしてターミナルで生活をはじめたビクターと、そこの職員、それこそグプタみたいな人たちとぶつかったりなんだりして……というヒューマンドラマの方に注力してもよかったのかな、というふうにも思えてきます。

ちなみに、最後の最後でディクソンが去りゆくビクターをただ見送るシーン、急にいい人になって違和感……という感想をそこそこ目にしましたが、あれこそ「そうだもう不法入国したから俺の管轄外になった」って気がついただけじゃないですかね……。

でも不法入国を見逃してしまった国境警備局局長ってなにも言われないのかな……?

 

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あとは「ここまでひっぱって結局不法入国なの???」という……。最後は普通に入国させてあげればよかったんじゃないんですかね? せっかくアメリアが1日ビザを入手してくれたというのに。あれ結局無意味じゃないですか。

不法入国して戻ってきた状態だったら「家に帰る」じゃなくてそれ「強制送還」っていうのでは……そして不法滞在をしたということは今後はもうアメリカには来ることができないのでは……??? 最後の最後にそんな結末用意する必要があったかな???

全方位でハッピーエンドにしてくれって話じゃないんですよ。でも不法入国でいいなら今までチャンスがあったのに、それに乗らないで断っておいてなぜ??? シナリオ的に不法入国を拒否していたんだから、最後の最後は合法的に入国させてあげないと、用意された障害が意味のないものになってしまうのでは?

そういう点も含めてこの話、すわりが悪いんですよね。話の主軸に据えてたものが、最後の最後でぜ~んぶチャラにされちゃう。彼の約束だけは果たされますけど……。ウーン……ビクターの人生的にはそれがすべての発端で、だからそれが叶えばオッケーってなことなんでしょうけれど、映画を見ている人にしてみればそれって後から出てきた事実なんですよ。

なので、それまでひっぱってきた恋愛や不法入国はせずに待ち続けるというポリシーがどっかに言ってしまうのがちょっと納得がいきませんね。

 

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あとは、英語の習得が早すぎるのも気になりました。ガイドブックを母国語と英語で付け合わせるのと、テレビ画面のテロップを読み込むのとであんなに話せるようになるわけがない……。

いや、別にいいんですよそれでも。でもそんなに簡単に言語を習得してしまうなら、英語ができないっていう設定自体があまり意味がないじゃないかと思えてしまうんですよね。もちろん語学が中心の映画じゃないですから、そこにばっかり焦点を当ててもしょうがないのはわかっていますがあんまり腑に落ちないというか……。

で、そんな感じでいろいろと重要なことが総集編的にテンポよく詰め込まれているせいで、作中時間的に9ヶ月も経っているように見えないんですよね。

「これは20日間ぐらいの出来事ですよ~」って言われても納得してしまいそうなくらい、内容が薄いんですよ。これももったいないな、と思います。

 

 

 

 

 

深夜の駆け込み更新 本日開店 練馬の家系ラーメン「ど根性家」はもっとがんばれ

用事があって練馬駅周辺をうろうろしておりましたら、家系ラーメンがつぶれて家系ラーメンができていたのでおじゃましてきました。オープン当日だというからせっかくなのでね!!

と、思ったんですけど、最初からさいごまで微妙だったので後日改めて書く気力たぶんわかないなこれ、と考えて今ばっと更新してしまいます。ハイ。

 

 

dokonjyou01500円から醤油と味噌で選べる家系ラーメンが、ということなのでせっかくですからソレにしたのですが、券売機にそう書いてあったのに味を聞かれなかったのでその時点で「?」となりながら待機しておりました。

店内はカウンター席が10くらいと、4人がけが1席、2人がけが1席。そのほかのテーブルひとつがお米とかを置いてつぶしてありました。

そこそこせまいので、ラーメンが行き交うときは店員さんがちゃんとコールして注意を促してくれます。

コップとお水は卓上に置いてあります。

備品はティッシュ、わりばし、紙エプロン、荷物を入れるカゴ。

調味料はらーめんタレ、醤油、お酢、ラー油、にんにく、しょうが、豆板醤、コショウ、刻み玉ねぎ。刻み玉ねぎってちょっとめずらしいように思いますけどどうなのかしらね。

 

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dokonjyou02ラーメンのトッピングは、ノリが3枚、チャーシュー1枚、うずらのタマゴ1コ、ほうれん草、生の長ネギでした。

で、実際お味のところは……って話なんですけど。

味、あんまりしないです。

いや、この言い方たいがいかなとは思うんですけどさ……。スープはしょっぱみのある醤油味で、いかにもニンニクに合いそうな味で、それだけいただくと別に悪くはないんですけど。実際にニンニク合うんですけど。

それ、全然麺に絡んでこないんですよ。

中太のストレート麺っていうのかな? そういう麺なんですけど、おかげさまで食べてる間はただアブラでコーティングされた中太ストレート麺をすすってる感じ。ほとんどスープの味が口に入ってこないので、ただ麺の味です。

量はあまり多くないですけど、それで充分ですよねこれだと……。

トッピングのほうれん草はクッタクタでタマゴはひえひえなので、このへんはもう一工夫ほしいところ。生ネギはアクセントになってよかったと思います。チャーシューは薄味で、よく煮込まれているのかほろほろ崩れて普通においしかったです。

 

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正直、練馬駅周辺ってそこそこラーメン激戦区なんですよ。全国のラーメンファンの方から見たらどの程度のランクなのかはわかりませんけど、結構個性もあっておいしくてっていうラーメン屋さんがいくつもあるんです。

その中にこの「ど根性家」さんが参戦して、ファンがつくかと言われたらはなはだ疑問です。

オープン初日でテンションがあがっているのもわかりますが、別に徹底されているわけでもないヘンテココールや妙な節回しをした接客なんかも、「サークルじゃないんだから……」とけっこうマイナスな印象。

また、冒頭にも書いた味が選べるはずなのに尋ねられなかったことや、次回無料券が配られる客と配られない客がいたこととかを見ていると、サービスレベルにもバラつきがあるのかしらと。荷物のカゴも店員さんが気付いたら渡してもらえる形だったのだけれど、今後ちゃんと気付けるのかな? とちょっと心配になりました。

このあたり、自分の勘違いや思い違いの可能性もあるのでなんとも言えませんが(例えば味が選べるラーメンは別のものなのかもだとか、500円以上のラーメンを食べた人にだけ無料券を配っていたのかもとか諸々)、その確認のためだとしてももう行く気はないなー。

このほか、チャーハンが少しお安めのお値段で、それで目を引くようになっているのですけれど、それ以外に関してはそこそこ普通のラーメンと同じ値段がしました。

オツマミやギョウザなどもあるので、お仕事帰りなんかによるぶんにはいいのかな? とは思いますが、これならもうちょっと足して他のところで食べるか、松乃家でカツ丼食べるな!!

個人的には再来はないな、という感想でございました。

 

 

 

 

 

トム・ハンクス主演 『ターミナル』 感想① アメリアが相当ひどい件

視聴後の感想は「へ? は?」です。ウーン、映画館でじっくりどっぷり見たらうっかり「いい映画だった」って言ってしまいそうな点はあるんですけれど、個人的には「なんじゃこりゃ……???」ってなりました。

 

 

ちなみに「なんじゃこりゃ」の筆頭はアメリアですよね。恋多き女、ダメ男大好きフライトアテンダント。いや別に彼女がダメ男が好きでも、39歳なのに27歳ってサバを読んでいても、不倫していてもなんでもいいんですけど。

明らかに最後がおかしいんですよ。なんなのか……。

ビクターとのディナーの最中に、彼氏から連絡が来るかもしれないから電源すら切れないというポケベルを外へ放り投げ吹っ切ったように見えた彼女、しかも次のフライトから戻ってきてビクターに「彼と別れたの」と告げてから紆余曲折あってキスをしたばかりの彼女が、なんでその翌日に「元カレのコネを利用して1日ビザを用意した」うえに「ヨリを戻して」いたのかしら……。

????????????????????

ビクターが無国籍者だということをもっと以前から知っていたのなら、まだ友人止まりのビクターのために1日だけでもとビザを用意してあげるのもわかりますよ。でも無国籍者だと知ったのも、サインを貰うためだと知ったのも前日のしかも夜じゃないですか。なんだこれ。それから元彼に頼んだの?

「ウワーわたしの不倫相手1日で特別ビザが取れるくらいワシントンにコネがあるなんて!! 素敵!! 抱いて!!」ってことなの?

映画的に考えると「わざとビクターから離れた・わざと自分からビクターを離した」っていうことだとは思うのですけれども、悪いけど全然そうは見えない。

一応、映画の序盤では満面の笑みで不倫相手に駆け寄っていた彼女が、視線を落としてつらそうに「彼氏」の元へ歩み寄っているのを見ると「まあそういうことかな」とは思えないこともなんですけど。

 

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あと、最後の最後でニューヨークに降り立ったビクターがタクシーを捕まえた時に、なぜかアメリアが他のタクシーから降りてきて、笑顔をみせてくるんですけど、「エッお前なにをして今タクシーで空港に帰ってきたの?????」ってすべてが意味不明なんですよ。

別にこの二人がくっつかなくてもいいとは思います。それはそれで、最後まで「異邦人」でしかないビクターにとってはふさわしいとすら思います。が。

くっつく、くっつかないではなく、基本的に支離が滅裂で意味が不明な点が多すぎますよ……。現実の出来事ならともかく、複数の人間が関わって作成した「物語」でしょう?

作り物のお話でここまで支離が滅裂なのって、普通にどうかと思いますよ……?

 

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例えばね。不倫相手の彼氏とよりを戻したように見えたアメリアが、それでも空港の外でビクターが出てくるのを待っていた、一人で、でも声はかけない……っていうんだったら、そこそこキレイに収まるんですよ。

あなたにわたしを諦めてもらうためにああいう小芝居をしたけど、本当は男と消えたわけじゃないのよ、好意はあなたにあるってことよ、でもニューヨークへもこの先も、一緒にはいけないのよわかってねっていう、まあそれはそれで勝手だけどわからなくもないふうに装えるんですよ。

でも、前日に彼氏と別れたと言ってネットリキスをしておいて、翌日も特別ビザを渡してニコニコしておきながら、「君も一緒に行こう」と言われた瞬間に「近付かないでって言ったでしょう」とか言い出して他の男と消えて、消えたと思ったらタクシーで戻ってきて思わせぶりにニコニコ……ってされても、「アッハイ近くのホテルで一発済ませてきたから余裕が出たんですね」くらいにしか思えない。

なんなんだかなあ。

 

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ビクターの夢を叶えるために、縁を切りたかった不倫オヤジとモトサヤに戻ってまで1日ビザを入手した……って解釈の方もいらっしゃいましたけれど、そう見せるためには途中途中でのアメリアがもう少しマトモじゃないと成立しないのではないかな。

不倫に苦しめられているからってだけじゃなくて、今の関係そのものから離れたいって真摯に考えていないと、「それでも戻った」っていう話にはならないでしょう。

ほぼほぼ初対面のビクターに「彼は最低な男だけどセックスはサイコー」って話しちゃったり、そのままディナーに誘っちゃったり、落としたい相手には12歳もサバを読んでいることなんかを知らなければ、少しはそういうふうに解釈できた……かもしれません。

もしくは、あのビザがサインまでしてあって完璧ならなあ。「自分の夢をかなえるための特別ビザが手に入ったけれど、アメリアは離れていってしまう」という展開ならともかく、「その特別ビザに天敵のサインが必要で、案の定サインがもらえない」っていうほうにすぐシフトしてしまったので、エピソードとしてすっごく軽くなっちゃってるんですよね。もったいないなあ。

文字数の関係でただただアメリアにツッコミを入れるエントリになってしまいましたが、続きます。