中盤まではとってもよかった『バチカンで逢いましょう』感想 ②

『バチカンで逢いましょう』感想の続きです~。

 

 

しっかし、「私のベネディクト」というほどの信仰があるマルガレーテが紆余曲折あるとはいえ法王にコショウスプレーをぶっかけてしまうのもすごい展開だと思うし、それを長々引っ張らず次の展開ですぐ解決しちゃうのもすごいし、なんというか思いがけない展開にするけど、その不快感を引っ張らずにサッ!! と回収して、すっごくお気軽に見せてくれるっていうのもまた巧みだなあ……と。

1時間位は「ワーオモシロイナー」って楽しんで見てました。

が。

話の展開がそこそこスムーズなので、それを阻害するのがすべてマルガレーテの腹積もりひとつなんだよなあ……と気付いてしまうと、ちょっと微妙さを感じないではないんですね。

そして、最後まで見ていくと、そのマルガレーテの行動に果たして一貫性があったのかどうか……という点にも疑問が出てしまうので、結局総合的な評価としてはこのあたりからじりじり下がっていく印象があります。

 

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途中の紆余曲折ははぶきまして、結局「マルガレーテの罪ってなんだったの?」なんですけど、わたしこれが一番納得できなくてですね。映画の感想が「結局この映画ってなんだったの?」になりそうなくらい困ってしまったんですけど。

ええと、作中でマルガレーテはなにがなんでも法王からの赦しを得たいので、「賭け事に負けたので法王の祝福を得て運を取り戻したい詐欺師」と偽装結婚的なことをして、新婚夫婦にローマ法王が祝福を与える場に乗り込むんですけど。

それですべてが丸く収まりそうなのに、結局「結婚の誓いは神聖なものだから」といって融通をきかせることもできず逃げ出したマルガレーテ、孫娘の彼氏を「孫娘を抱きかかえているから」フライパンで殴り倒したマルガレーテ、娘夫婦のセックスの声が聞こえてきて悪魔祓いみたいに十字架を振り回していたマルガレーテが、

「カナダに移住する前にイタリア人ミュージシャンと1回だけ浮気して孕んだのがマリー」

とかいう秘密を抱えていたってどういうこと?????

どういうことなの?????????

 

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あのお、これですべてがだいなしなんですよね!?!?

作中で、その詐欺師……詐欺師なの? まあ詐欺みたいなことをしなくもない老人・ロレンツォに、あきらかに恋をしてしまうマルガレーテ、「法王にコショウスプレー」の罪をごまかすためにロレンツォからキスされ戸惑うマルガレーテ、そういう可愛らしさも、孫娘の恋が受け入れられないマルガレーテ、そういう今まで積み上げてきた「経験な信者過ぎて保守的なおばあちゃん」というマルガレーテの人物像も、これですべてチャラになってしまった!!!!!

保守的で身持ちが堅いおばあちゃんが、よりによってチャラいイタリア人男性に絆されて変化していくコメディタッチのラブ・ストーリー……と思ってみていたのに、「むしろ、こうなる素養ありありだったんじゃん!!」ってなってしまう、これがラスト30分前!!

もう1時間以上、マルガレーテのことを「保守的でウブなかわいいおばあちゃん」と思って見てきたのに、ここでまさかの裏切り!!

 

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いやまあ、「こんな罪を隠していたからこそ、経験なクリスチャンであろうとしたのかな……」とかいろいろ考えられなくもないですが、それなら「婚姻の秘跡は神聖よ」っていう言葉をやたらと使わせたのはどうなのかな……と……。

双方がうまくいくであろう提案を、やっぱり宗教的な教えで拒否してしまう、それは別にいいんですよ。ここまで見てきたマルガレーテのキャラクターならむしろありですよ。まあ、見ていたわたしとしては「着飾って教会まで来ておいて今更なにを言ってるんだろう」ってなってしらけちゃったシーンでもありますけど。

でも、その「神聖な秘跡」を過去に侵したのは自分じゃん……。ぶっちぎりで「婚姻の秘跡に対する重大な罪」じゃん……なにを今更……。

 

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ちなみに耳慣れない言葉なので「婚姻の秘跡」について調べたのですけれど、見ているとまあカトリックの人にはとっても大切なことなんだなあというのは伝わってきます。でもそれなら、マルガレーテが偽装結婚の提案を受け入れた時点ですでにおかしいんだよね???

たとえば「法王にコショウスプレー事件からかばってやったのだから」って交換条件を持ちだされてどうしようもできないとか、そういうことならともかく、直前までそこそこノリノリだったのもあってどうにも腑に落ちないんですけど、まあそこを言い出したらこの話まったく成立しなくなってしまうので置いておきます……。

それを言い出しちゃったら、なんでロレンツォがマルガレーテのことをかばったのかって時点から根拠が弱いですからね……。

あ、感想はもう1回ほど続きます!!

 

 

 

 

 

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