中盤まではとってもよかった『バチカンで逢いましょう』感想 ①

タイトルやメインビジュアルでGAGAみを感じて「見たいけどGAGAかもしれないし」と敬遠していた1作なのですが、休みの日にお昼を食べながらあまりハードなものも見たくないしなァ……ってことでセレクト。

すっっっっ……ごいよかったです!! 途中まで!! 途中までは!!!!!

 

 

物語としては、「どうしても懺悔して赦してほしいこと」を抱えた老女・マルガレーテが単身ローマへ向かい、「法王の赦し」を得ようとする過程で知り合った詐欺師まがいの老人と恋に落ち、過保護で支配的な娘・マリーから脱却する……みたいな流れになります。が、これがうまくまとまっているとは言い難いかな……。

ここでは三世代の女性が登場し、母であるマルガレーテとその娘マリー、母であるマリーとその娘マルティナ、祖母であるマルガレーテとその孫マルティナの関係が絡み合ってくる感じになります。そして基本的にこの「マリー」が、過保護で過干渉。

で、この「過保護で過干渉」から祖母と孫が抜け出していく話と、「過保護で過干渉」によってマリー自身の夫婦関係がこじれて元通りになる過程と、それとは別に祖母と孫のそれぞれの恋愛事情と、マルガレーテの抱えている罪の話と……というのがブレンドされて話が展開します。

なので結構ごちゃごちゃしてるかも。

 

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見ていて前半ウマイな~と思ったのは、最初にマリーのひどさを描くことで迷わずマルガレーテに感情移入できるつくりになっていることです。

「老女の独居はムリだから娘が引き取る」というまっとうな行動かと思っていたら、本人に無断で老人ホームに入れようとしているし、それを告げるのは家を出た車の中でだし、マルガレーテが楽しみにしていたローマ旅行は勝手になかったことにしているし、敬虔な教徒であるマルガレーテへ「バチカンドットコム」で買ったローマ法王の赦しを与えてそれでいいと思っているし、ローマ旅行は「80歳の誕生日に行けばいい」とかまったく叶える気のないことを言って相手が納得したと思っているし。

そのマリーの夫も義兄弟の彼女のオッパイをガン見したり、義母を引き取ったその日もセックスしようとしたり、すべてが他人事だしでちょっとろくでもなさすぎる。

こんなのが開始10分。

マルガレーテがんばれとしか言えない。ちょう応援する。ここがすでに見事なわけです。

 

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そしてさらに見事だなと思ったのが、マリーに対する反撃がすぐに行われること。

引き取られて裏切られたその翌日には速攻、マルガレーテは単身ローマへ向かっており、しかもその航空券を取ったのはマリーの小学生ぐらいの子どもたち。しかもマリーのクレジットカードで。さらに「おばあちゃんの家を買ったお金を借りたままなのになにが問題なの?」という正論つき。

マルガレーテが失望するさまをたらたら描くのではなく、フラストレーションも即解消させてくれる。なかなか見事なつくりだなあ……と。

そしてマリーの過保護っぷりと、「自分が良かれと思っているルールの中で自分が良かれと思って相手を護る」ためには人の心など気にしないところがいくつか描かれていくわけで、より一層「マルガレーテがんばれ!!」が増していきます。

 

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かといって、「マリーがこの作品の悪者!! マルガレーテは善!!」という描き方でもないのがまたお見事。

ローマで暮らしている孫娘・マルティナは、ロックバーで働き、そこで歌っているシルヴィオと同棲中、かつそのことをマリーには黙っているわけだけれど、やっぱり頭の堅いところもあるマルガレーテは「彼女なりの善」で孫娘の生活を荒らすわけで、マルガレーテだってそこそこ迷惑という部分もちゃんと描いてる。

さらにはマリー以上にどうしようもなくすら見えるセックスセックスの夫・ジョーだって、きちんとマリーのことを愛していて、彼女が振り回されて笑顔がなくなっていることを心配しているのに「最近セックスしてないからでしょ」的に言われてしまうし、結婚記念日は忘れられるし、結婚記念日に用意した薔薇の花瓶はマリーによって台無しにされてしまうし。

こんな感じで「誰が善・誰が悪」ではなく、「全員そこそこどうしようもないけどまあ話の流れで自然とマルガレーテを応援しちゃうかな」っていう作りはほんとに巧みだなあ、と思ってすごく感心して見ていました。

続きます!!

 

 

 

 

 

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