トム・ハンクス『ターミナル』 感想前のあらすじ

 

 

※あらすじをわかりやすくするために、キャラクターについて判明する事実などは映画の時系列に沿っていない部分もあります。

【ビクター(主人公)自身について】

クラコウジア(※架空の国)からとある目的を持ってやってきたビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)だったが、フライト中に祖国でクーデターが起きて政府が消滅。そのためパスポートに対して利用停止措置が取られ、それを受けた米国国務省から入国ビザが取り消されてしまった。

現在は新クラコウジア連邦に姿を変えたものの、その新クラコウジア連邦と米国が正式に国交を結ぶまで手続きを進行することはできず、その間ビクターは「無国籍者」という扱いに。政治亡命者でもないため、人道的入国許可や一時的雇用入国なども適応することができない。

その説明のため別室に呼ばれるも、彼はほとんど英語が話せないため、空港の国境警備局主任であるディクソン(スタンリー・トゥイッチ)の説明は一切理解できない。しかしディクソンはひととおりのことを英語でのみまくしたてると、テレホンカードと食料用のチケット数枚、空港内のパスカード、呼び出しのためのポケベルを与えてターミナルに放り出してしまう。直後、ビクターはテレビでクラコウジアのクーデターを知り、失意の中ターミナル内での生活を始める。

彼の目的は、父親のためにとあるジャズミュージシャンからサインを貰うこと。

父親は熱心なジャズファンで、ニューヨークのジャズミュージシャン57名が写った「ハーレムの素晴らしい日」の写真を見て、シスターに代筆してもらった手紙を、その写真にうつっている全員に出していた。そのうちの56人にはサイン入りの返信をもらっていたが、うち1人のベニー・ゴルソンからは返信が来ることはなかった。

ビクターは父親が亡くなる前に、必ずニューヨークへ行ってベニー・ゴルソンのサインを貰ってくる、と約束しており、その約束のために空港にとどまり続けていたのだった。

 

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【警備主任との軋轢】
国境警備局主任のディクソンには、上司の引退により昇進のチャンスが訪れていた。そのためか時間のかかる面倒事を抱えるつもりがなく、むしろ管轄が移動し自分の手から離れるためには不法入国を望んですらいる状態。

わざと警備を薄くし、直接ビクターに不法入国を教唆するが、ビクターは若干迷いつつもそれを拒否し、待つことを選択する。

また、ビクターが英語を話せるようになって以降、母国に対する恐れを抱いていると宣言すれば緊急国外退去措置を取ることができると説明するが、それも拒否され、いつまでも音を上げず、頑なに法を守り続けるビクターに、ディクソンは苛立ちを募らせていく。

ディクソン周辺の警備員は若干ビクターに同情的ではあるが、原則放置で特に手を差し伸べるわけではなく、だいたいモニターの前で揃って様子を眺めていたり、彼を賭けの対象にしたりする程度である。

 

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【仕事】
与えられた食事用のチケットを紛失してしまったビクターは当初、空港内カートの返却などで小銭を稼いでいたが、ディクソンは新たなポジションを作成しそれを阻止する。

後日、別件できちんとしたお金が必要になった彼は、空港内のショップで仕事を探すが、住居が空港内で身分証明書もなく、電話番号は空港内の公衆電話という状態を前に相手にしてもらえない。

しかしある時、着手前の内装工事を勝手に進行させていたところを現場責任者に発見され、その腕を買われて雇われ、結果的に高給取りになる。

【日課】
ビクターは、毎日入国審査の書類を記入しては同じカウンターに並び続けている。

 

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【仲間】
ある日、ビクターに機内食サービス運搬係のエンリケが接触する。彼はビクターが毎日並んでいる入国審査のカウンター職員であるドロレスに恋をしているが、業務内容的に接触がないため、ビクターに機内食を与える代わりに彼女への質問を託す。

また、このドロレスを通じて貨物輸送担当職員のジョーや、ビクターのことをスパイだと疑って心を開かなかった清掃員のグプタとも親しくなっていく。

グプタは祖国で汚職警官に対する殺人未遂を犯した過去があり、米国を追放されると本国で収監されてしまうため、「わざと床をツルツルにして人が転ぶのを見て楽しむ」以外は基本おとなしく過ごしたいと思っており、過剰なほどビクターを警戒していた。

 

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【事件】
闘病中の父親のために薬を持ち帰ろうとしていた旅行客が、アメリカの法律によりその薬を没収されそうになり、興奮して刃物を持ちだしてしまった。

その際、クラコウジア語がロシア語に似ているということでビクターが呼び出される。最初は事情をそのまま通訳したものの、法律上アメリカ国内から「人体に使う」薬を持ち出すときは書類が必要になるため、事情を聞いたディクソンはそれでも薬を没収しようとする。

絶望し、跪いて祈る男は取り押さえられ、泣きながら連行されていくのを見て機転を聞かせたビクターは、発音が似ているので間違えたとして、「父」ではなく「ヤギ」に使う薬だと改めて説明する。

ビクターの口の動きを見て、改めて「ヤギに使う薬だ」と説明した男の手元には無事薬が戻されるが、今度はディクソンが激高し、ビクターの両手の指紋をコピー機で連写しながら彼を罵倒する。しかしその様子を上司や監査官に見とがめられ出世が遅れ、より一層ビクターに対して敵意を燃やす。

その様子は清掃職員のグプタも見ており、彼の口から空港職員に広まったことで、一気にビクターは職員から親しまれるようになる。

 

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【恋愛】
ビクターは空港内で生活している中で、フライトアテンダントのアメリアと知り合いになる。彼女は男を見る目がなく、現在は不倫の恋に悩まされているのだが、ビクターと話しを続けるうちに彼の愚直な素直さに惹かれていく。

ビクターも彼女に惹かれ、ディナーに誘うためにと空港内で仕事を探し始める。

彼は新しいスーツを買い、フライトから戻ってきたアメリアをディナーに誘う。不倫相手からの連絡を待ち続けるためにポケベルを手放せないアメリアだったが、ビクターとのディナー中に展望デッキから放り投げ、過去の恋を吹っ切ったかのように見えた。

ビクターは、ナポレオン好きのアメリアのためにナポレオンが妻に噴水を送ったことにならって配管を利用した噴水を作る。

しかしそれを披露する予定の日に、ディクソンはアメリアに接触。彼氏と別れてビクターに会いに来たアメリアだったが、ビクターが空港に住み着いていることを知り問い詰める。

そこでビクターははじめて自分の来歴とニューヨークにこだわる理由を話し、その話に感銘を受けたアメリアとキスを交わす。

 

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【クライマックス】
アメリアとキスを交わした翌日、クラコウジアの戦争が終わったことを、すっかり友人となったエンリケ、ジョー、グプタから伝えられる。これで祖国に帰れるとはしゃぐビクターと、それを祝う空港職員たち。

そこに現れたアメリアは、彼氏のコネで1日だけ入国できる特別ビザを渡す。アメリアの元彼がなぜ自分のためにそこまでしてくれるのか、と一瞬訝しむビクターに、アメリアは「これは彼がわたしのためにやってくれたことだ」と伝え、急に態度を変え立ち去り、ビクターの見ている中で不倫相手に髪を撫でられながら姿を消す。

しかしビクターの手元には1日ビザが残された。毎日通い続けた入国審査の窓口で、こんどこそ緑のハンコを貰えると意気込むビクターだが、そのビザを有効にするためには管轄の責任者、つまりディクソンのサインが必要になる。

ディクソンはほぼ私怨でサインを拒むどころか、一番早い航空便で帰国するように促す。それでもニューヨークに向かおうとするビクターに対し、ディクソンはこのままクラコウジアへ帰らなければエンリケ、ジョー、グプタを解雇すると脅しをかける。

 

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脅しの事実を知らないグプタは、最後の最後に諦めてしまったように見えるビクターを大声で罵るが、脅しの現場にいた警備員に事実を知らされ、モップを持ってボーイングに単独突撃。力技で遅延を起こし、警備員に銃を向けられながらも、ビクターに行動を促す。

ビクターがニューヨークへ向かうと知った空港内ショップの店員たちは、接客を放棄し次々に手土産などを渡しながら彼についていく。しかし扉の前にはすでに空港の警備員がそろっていた。

最初期からビクターの行動を見守っていた警備員は、彼に後ろを向くように促すが、それは諦めろという意味ではなかった。そのビクターの背中に自らのコートをかけてやると、警備員は全員手を出さず、ビクターの入国を見守った。

別室からモニターでその様子を見ていたディクソンは、逮捕しろ逮捕しろと喚き散らしながら現場へ急行するが、すでにタクシーで立ち去ろうとするビクターの背中を見て、日常業務に戻っていった。

【エンディング】
ビクターはニューヨーク市街のラマダ・インのラウンジでベニー・ゴルソンと対面し、そのまま彼の演奏を楽しむ。最終的にベニー・ゴルソンのサインを手にしたビクターは、タクシーの運転手に「家に帰るんだ」と告げるのだった。

 

 

 

 

 

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