特攻野郎Aチーム THE MOVIE 感想 ネタバレ含む

結構楽しみにしてたんだけどなー。ラストがいかんともしがたいよなー。という感じでした。

 

 

80年代に放送してたテレビシリーズは見ておらず、自分にとって『特攻野郎Aチーム』は2ちゃんねるのネタでしかなかったという感じだったので、この「面白いか面白くないかと言われると微妙」という感じがテレビシリーズを見ていないからなのかどうなのか判断が付きかねますが……。

何度か手をたたいて笑うようなシーンもありましたし、話がぽんぽん進む爽快感もすごかったんですけれど、じゃあもう一回見る? って言われると、結構ですって即答できますね。

話の爽快感が諸刃の剣で、手に汗握ることにはならないんですよ。すごいなとかAチームがんばれとは思っても、ウワーどうなっちゃうのここから起死回生の手段はあるの!? みたいな気持ちが沸かないんです。

それはAチームに対する信頼でもあるのかもしれませんが、そもそも物語の根幹の部分以外のところでなにもかもがうまくいきすぎなんですよね。そうなると「今回もなんとかするしなんとかなるんでしょ?」って一歩引いてみてしまう。「どうやってこの状況をなんとかするんだろう?」っていうより、「どうせどうやってもなんとかなるんでしょう?」って突き放してしまう。

別に、ツッコミをしようと思って映画館に行ったわけでもなく、普通に楽しみにして向き合っていたというのに、2時間でここまでドライにさせてしまう爽快感はちょっと問題かなあ、と。どこかに失敗なりなんなりが欲しかったと思います。

むやみに死別を入れたりして涙を誘え! とかそういう意味ではないですよ。でも「えーそんなムチャな」をこれだけ繰り返されれば「ほーん、で、今度はどんなムチャしてくれちゃうの?」っていう観察に近い感じになって、ハラハラしないんです。そうすると同時にドキドキもしない。

まったく心を動かされないということでもないですよ。じんとくるというか、ぐっと切ないところもあります。ただ、トータルでの緩急がなさ過ぎる。でもノンストップハイテンションというにはちょっと弱い。そんな感じですね。

 

020

 

しかし、最終決戦がフェイスの作戦で、ラストのシーンもフェイスがいいとこどりなんで、なんでしょうこの『特攻野郎 THE FACE』は……?

B.A.が飛行機に乗る前に薬を打たれるお約束とか、マードックが大切なときに大切なことを言うその役割とか、そういうTVでのお約束はやってくれているんですね。このへんはあとからちょっと調べました。

その上で、B.A.が非暴力に目覚めたり、最後の決戦で衝撃を受けたマードックが「正常に戻ったかも」なんて言ったり、フェイスが一人の女性に夢中になったり、大佐が作戦をフェイスに任せたり、全員がTVシリーズから卒業するチャンスはちゃんと作られていたと言うのに、そのどれもが中途半端で、映画としての独自路線を立てたとも言いがたいんですよね。ただキャラがブレて終わっただけというか……。TVシリーズをご覧の方にはどう映ったのでしょう?

それとラスト。彼らは「不名誉除隊」を受けてさらに友人であった将軍を亡くしているんですよね。肩書きも剥奪されてさらに懲戒免職されてさらに懲役10年。だからこそ、大佐は「地位と名誉」を取り戻すために戦っていると思ったのですが……これ、ラストに至っても「地位と名誉」が別に回復していないんですよね。これって結構致命的だと思うのですが。

彼らは、脱獄して黒幕を引っ張り出し、そちらの面では決着をつけたわけですが、今度は脱獄の罪で護送車に閉じ込められます。そしてラストカットで、フェイスが口から手錠のカギを出しておしまい、なわけですが。

これ、ここでニヤっとしてほしいんでしょうけれど、護送車から逃げたらなんにもならなくないですか? 彼らの地位と名誉を取り戻すなり不名誉除隊を取り消すなりするのって、結局軍の方でまた裁判するなりなんなりという手順が必要ですよね?

ニヤっとさせたいなら、軍事法廷で不名誉除隊を受けたはずの彼らが、結局いつもどおりにチームを組んで活躍している数年後オチとかの方がよっぽどよかったのですけれども……。剥奪された「地位と名誉」に対するケアが欲しいんですよ、だってそれが話の始まりなんですし。

そこまで描くのは無粋だな~とは思いますけれど、それなりに「そこ」を到達点にして、それを匂わせるラストにしてほしかったです。口から手錠のカギを出す、っていうのは、このままおとなしく護送されないんだなっていう直後の未来を想像はできますけれど、「いつの間に目的が “捕まらないこと” になったの?」と思うと、あまりよいラストであるとは思えませんでした。

なお、スタッフロールのあとにも続きがありますよと映画館で繰り返し言われていたので、そこにそういうワンカットでもあるに違いない!! と期待をかけましたが、どうみても地位と名誉が復活したようには見えない大佐とフェイス、マードックがチラっと映されるだけでした。ガッカリ。

話の主題が反れたうえ、途中までの爽快感に比べラストにカタルシスがなかった点で、おばか系娯楽映画にもならず……ちょっともったいない作品であったなあ、という感想です。びっくりしてポップコーンひっくり返すような映画を期待していったのになあ!!

 

020

 

あとは、マードックの描写がどうしても……ちょっと……。

1980年台の、精神疾患、PTSDへの理解が少なくて電気ショックをかけちゃったりしている時代の描写をそのまんまやっていることが残念ではありました。いや、そうじゃなきゃモンキーじゃないよ!! って意見も当然あるとは思いますけど。デリケートな部分であるからこそ配慮が欲しかったですね。

そこはとても残念でした。

 

 

 

 

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Pin on PinterestShare on LinkedInFlattr the authorPrint this pageEmail this to someoneShare on Tumblr