ハマコクラブキヨコクラブ第16回公演 『オチの後で』~変な人ほどせつないなんて~ 感想だよ

ハマコクラブキヨコクラブさんの満15周年記念第16回公演、『オチの後で ~変な人ほどせつないなんて~』をシアター風姿花伝で拝見してまいりました!!

お伺いしたのは千秋楽の9月28日(月)、15時の回。ちょっとチケット確保に向けて動くのが遅くて、後ろの方の席ではあったのですが、客席にかなりしっかりとした段差がつけられているため、とても見やすい劇場でした。前の人の頭すら気にならなかったです。

 

 

大ざっぱに言うと「芸歴は長いけれどうだつのあがらないベテラン落語家の真打ち襲名直前に、師匠に弟子入りを許されたという脱サラしたど素人がやってきたけど、その師匠は旅行先の草津からまったく帰ってくる様子もなくて……」というお話なんですが。

いつものように(※わたしの勝手に言う「いつもの」は『たそがれの映画監督』以降)「実力がないわけじゃないのにうだつのあがらないままのベテラン」こと二百十一日亭曇天が濱田和幸さん。

脱サラ初心者の二百十一日亭朝霧が清河寛さん。

弟子入り数年・まだまだ下っ端の二百十一日亭梅雨時が根本拓人さん。

そして一番の売れっ子で、テレビや映画にも出演中の真打ち・二百十一日亭爽々が中村俊洋さん。

二百十一日亭師匠のお嬢さんが藤川恵梨さん。作中でお名前が出なかったようにも思いますが役名では小鳥遊えりさん。

そして米屋のおやじ・飛田康介さんと、人情出演のたいこ茶屋の大将・嵯峨完さん。

……こうやって書くと飛田さんも人情出演のただの米屋のおやじさんみたいになってるけどあえて訂正はしない。

 

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今回、藤川さんがポジション的にがっちりはまってましたね!! ご本人のしゃきっとした感じが、こういう演芸のおうちのお嬢さんの芯の強さみたいなものにばっちりあっていて、すごいはまり役でした。

ほかのみなさんは、上の登場人物紹介みたいなところでもふれたけれど、ある意味いつもの配役の中にほかの方はすっぽり当てはまっていて、自分の見てきた中ではいつも通りな感じ。しかしその安心感がええのじゃ……。

あと個人的に、『ひとり芝居をみんなで』のときから根本さんのあの使いどころの難しそうな個性がグンと生かされるようになったと思うのですが、今回もすごい生き生きしてたように思います。すごく適切な役柄による適切なポジショニングといった感じ!!

この、根本さんと中村さんのいい意味での異物感はずっとこのまま生かしてほしいなあ。特に中村さんのポジションがあると話が広がるし転がしやすくなるからなあ。

 

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そんで、ええと作中でハマキヨさんそれぞれの落語シーンはちゃんとあるのですが、正直正当な落語かというとちょっと違って、また別の話芸になりかかってる感じはあるんですけれども、そうはいってもその話芸そのものがウマイんですよね。

なのでそっちの面白さも加わったこの「鹿政談」と「宿屋の富」はたいへん面白く聞かせていただきました。

また、「鹿政談」は豆腐屋を裁いて「キラズにおくぞ」「マメに帰ります」というオチなんですけれども、これ「おから=きらず」っていうのを知らないとなにもひっかからないんですよね。だけど作中で素人である清河さんに教えるという名目で、すっごくさらっと「キラズはおからのことで、豆腐は切って食べるけどおからは切らないで食べるからキラズなんだぞ」って言ってるんですよ。

まあ、この説明からオチまでの間にちょっと時間が経っているのと、自分はこの噺事態をオチまで知っていたので見ているときは特に気にしていなかったんですが、あとからこれがあるのとないのとでは理解度が全然違うなと気づいて。つくりが丁寧だよなあとしみじみ思いました。

 

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あと今回いいなと思ったのが、「名前だけで実際には登場しないけれどすごくキャラのたつ人」がいることかな。そしてその存在が結構絡んでくる。しれっとセリフだけで実像のないキャラを立たせるってすごいことだなと思いました。

あああと、忘れちゃいけない飛田さんね!! 飛田さんの説明ってすごく難しいんですけど……ひとりだけ違う線路をすごい勢いで並走している蒸気機関車とでもいおうか……ウン……「和製ミスター・ビーン」と評されることが多いでしょうか。

ぜひ頭の中で、普通の芝居に「喋るミスター・ビーン」を投入してみてください。

それが現実にあるのが、飛田さんです。

マジ ヤバイ

わたしは『たそがれの映画監督(2012)』のときに常連さんと駅までご一緒させていただいたことがあって、そのときに「インディカ米」ネタがテッパンだということを教えていただいてたんですが、そのあと米屋ネタはあってもなかなかインディカ米ネタが聞けなくて……!!

勝手にくやしがっていたのですが、今回聞くことができたのでよかったです……!! でも「草津よいとこいちどはインディカ米」ってなんなの……!! 考えたら負けな気がする……!!

あと自分はもう、舞台に飛田さんが出てきただけで「グフッ」ってなる体になってた。出てくるだけでダメだった。笑った。

 

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この『オチの後で』は、ハマキヨさん15周年記念公演のため、「過去作の中からアンケートをとり、その中で1位だったものを再演する」という流れだったのですが、2008年当初はまだ参加されていなかった根本さんの役は新規でおこされております!!

そしてわたくし落語という題材が気になってですね。以前に2008年公演のDVDを入手してあるのですよ……。見比べちゃおうかな……!! 終演後、中村さんとお話させていただいてる時に流れでこの話になったのですが、「7年前ですから僕も今よりシュッとしてますよ」と仰っておりました……いや……今でもシュっとしてますやん……エエ……それじゃあ7年前はどんだけシュっとしてますの……。

ハマキヨさんのDVDは、劇場の物販で購入することができるのですが、現地で入手……ではなくその場では購入手続きのみとなっています。過去作品についても、後日、準備が整い次第の郵送ですので、いい意味でじらしプレイね!!

 

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と、ここまでこちょこちょと細かいところの感想を述べてまいりましたが、ネタバレをしないまでも全体について申し上げますと、またいい感じの「日本人による日本人のための人情噺」なんですよね……これがほんと気持ちいい。アッ以前これ言ったときにキヨさんに「なんかあの人民によるって演説のアレみたいですね!!」って言われたこと思い出した!! リンカーンのゲティスバーグ演説かよ!! ほんとだ!!

で、これまたわたしの好きな感じのどんでん返しでね、さらにクライマックスとは別のオチもポーンとついて、どんでん返しで急に泣かされて、でも最後にそうきたか!! ってオチもついて、泣いた後にもひとつアハハ!! ってしてからスッキリ終わるい~いお話でございました!!

ひょっとしたら、まあどんでん返しの部分、見ている途中で気付いちゃうかもってのはあるんですが……でもミステリじゃねえからなあ……気付いたとしても「いい話」は「いい話」なんですよ……ウン。

繰り返すけど、藤川さんの演芸のおうちのお嬢さんの芯の強さもね。これもまた、ほんとにいい感じに全体に影響していて……優しくて、それでいてキリッとサッパリしたお話に仕上がっていると思います!! 思いました!! ハリセンがだいぶ少なかったけどネ。

 

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でもやっぱりマイベストは『たそがれの映画監督』なんですが、それだけ好きな芝居があるってのもそれはとっても幸せなことだと思っているので、固執するわけでなく、今後も見続けていこうと思っております。

なお、12月の公演については、5月くらいからそのお話がちらほらあったとは思うのですが、現時点では「できればやりたいとは思っているけれども……」という状態とのことでございました。

 

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ちなみにシアター風姿花伝さん、お手洗いの個室は3つ。90~120名のキャパシティでお手洗い3つはかなり嬉しいつくり。そしてキレイでした。和式あるのかな? たまたま入った時、同じ個室にあたったので、それは確認できなかったな。

んで。

 

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ハマキヨさんのこういうとこほんと好き。

……と思ったので、あわせて紹介させていただきます!!

以上、観劇直後にTwitterに感想をあげつつ、日記を普段の倍くらい書いた後の感想でした。

 

 

 

 

 

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