映画『アニーよ銃をとれ』ネタバレ感想 アニーがかわいすぎてンモウ!!

この作品は1946年に初演があったブロードウェイミュージカルが元になっている、1950年の映画です。でもあんまり古さを感じないんだよね!! とにかくアニーがおばかで一生懸命でかわいいし、フランクがかっこいいけどかっこわるいしで、正直面白すぎて震えましたわい……!!

 

 

このパッケージ写真、よく見たら同じ人が何人も映ってて、出来の悪いサクラ広告みたいになっててちょっと笑ってしまった。ちなみにこの赤いドレスの女性がアニーなんですが、その右の方にいるなんか吠えてる野生児みたいなのもアニーです。

物語は、ろくな教育も受けず数も数えられなければ文字も読めない、けれど天才的な銃の腕で狩猟をして弟妹達の生活を支えていたアニー(ベティ・ハットン)が、そこに興業にやってきたバッファロー・ビル(ルイス・カルハーン)一座のスターである二枚目、フランク(ハワード・キール)に一目ぼれするところから始まります。

このね、アニーがフランクの顔見て、アゴをカクーンって落として見入っちゃうのホント好き!! わかりやすいしかわいいし!!

そしてアニーは、その銃の腕前を買われてバッファロー・ビル一座に加わり、彼好みの「白い長手袋が似合う女性」になるために必死で努力するわけです。またこの過程もかわいい。

一座の女性がやっているのを見て、自分も顔にレモンを塗りたくってみたり(※今の世の中だと「レモンは光毒性あるからダメよ!!」ってなりますが当時ならベーシックな美容法です)、弟を前に、一生懸命本を音読してみたり(とはいえ弟もまだまだ勉強中なので、読めない人名を勝手に縮めてしまったりしてそれもかわいい)。

この過程に限らず、ベティ・ハットンはおしみなく変顔をさらしてくれます……。いや変顔って言っちゃうのもあれだけど、女性がきれいになる経過には、結構人には見せられない姿になることってよくあるじゃないですか……わたしだって顔のリフトアップ体操をしているときはバナナマンの日村さんですよ……1日5分のバナナマン日村がひきしまったフェイスラインを作ると思ってがんばってますよ……脱線した……。

というわけで、泥パックを塗って顎を動かしている顔だとか、フランクのことを思いながらぱかーんと大口をあけて眠る姿とか、惜しげもなく披露してくれています。いじらしい……!! アニーはひとえにフランクについていきたくて一座に入ったのに、最初の頃はきれいな女性と連れ立ってどこかへいってしまう姿を見送るだけ……とかいうシーンが直前にあるため、ここのいじらしさは倍増ですよ……!!

そして、晴れてフランクにその美しさを認められるようになるのですが……正味な話、アニーの方が銃の腕前が圧倒的に高い。当初はフランクの前座という扱いであったけれども、じりじりと人気も上がり、看板に大きく描かれるようになって、フランクはそれが耐えられなくなってしまう。

そこでフランクは、商売敵でもあるパウニー・ビル(エドワード・アーノルド)一座に移籍して、それぞれ競い合うようにヨーロッパ興業を行っていくわけです。そして二つの興行主が(海外で招待興業ばかりやっていてお金が底をついたのを双方ごまかしながら、相手のお金を狙って)協力し合おう、となったときに、正装したふたりが久しぶりに顔を合わせるわけですね。

 

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アニーは「これで仲直りできる!!」とにっこにこで再会するし、フランクもより美しくなったアニーといい雰囲気なんだけれど、海外で勲章をもらって自分を立て直したフランクがそれを見せてくれているのに対して、それより大量で豪華な勲章を「わたしも!!」でボローンと見せてしまうこのおばかさんっぷり。それで態度が変わったことにも気付かないのね、そこから売り言葉に買い言葉でケンカになって、「なんでも自分のほうがお前よりできる!!」の言い合いになってしまう。

この「君にはできない俺の方ができる」「いいえあなたには無理でわたしのほうができる」のやりとりばっかりな歌がまた楽しいんだよね、射撃のことを競い合ってたのなんてほんの一瞬で、そのうち「君より高い声が出る」とか「光の速さで酒が飲める」とか言い出して、ついには「だいたいのことがなんでもできる」からの「料理は!!」「できない!!」「わたしも……」とか……仲いいじゃないの……。

『アニーよ銃をとれ』は音楽がすごくいいよねえ……。ちなみに後程映画のタイトルにもなった有名な「ショウほど素敵な商売はない」はこの作品の曲で、ショウビジネスのことをまったく知らないアニーを説得するためにバッファロー・ビル一座が歌う曲です。

 

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そしてこの言い争いのまま二人は対決することになるのだけれど、アニーの養父になったシッティング・ブル(J・キャロル・ナイシュ)はアニーの銃に細工をするんです。つまり、負けるように。

最初はアニーに黙って行うのですが、何度も新しい銃を求めるアニーを呼び止め、このままアニーが勝ってもフランクと別れることになるだけだと諭すわけですよ。わざと負けて、フランクと結婚する方が得だと。

それを受けてアニーは100発勝負を10発にも満たないうちに棄権し、先日のケンカはどうしたとばかりにしおらしく「世界一の射撃主はフランク・バトラー」と発言し、自分の勲章まで彼にささげようとしたところで気をよくしたフランクが「一緒にやろう」というわけですよ。

そしてここまで譲ってもらっていることにも気づかずにフランクは「バトラー&オークレーだ」と、さらっと自分の名前を先に冠して、最後は合併した一座による「ショウほど素敵な商売はない」でエンディング……なんですが……。

このへんの価値観というか、その周辺がちょっとなあ……。

んん……。

アニーは銃とフランクを天秤にかけてフランクを取った、でいいんだけど、なんというか「女の幸せは結婚」に落ち着いてしまうのか~、とか、アニーの才能はあんなに素晴らしいのに、大好きな人とケンカになってしまうほどそこにプライドを持っていたのにこれでいいのだろうかとか、いろいろ思ってしまうのですよ。いや、思ってしまったのですよ、今までは。

 

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ただ、このエントリを書くにあたってラストシーンを見直していたとき、「バトラー&オークレーだ」というフランクに対してアニーは即座に「アルファベット順ね」って答えてるんです。

わたしこれ、アニーが身に着けたしたたかさの延長線上にある受け答えだと思っていて、ああー今までのアニーはいなくなってしまったのか……こんなにスムーズに……って嘆いていたんですけど違いますよね

「能力順ね」とか「あなたが世界一なのだから、あなたの名前が先で当然だわ」じゃないんですよね。

むしろ「アルファベット順ね」=「能力順じゃねえぞ」なんですよねって気付いたら、アニーはしおらしくなったように見えて根っこのところは全然変わってなくて、アッこれでいいんじゃない!! って結構ストンと落ちてきたのでした。

念のためもう一度見返してみましたが、この発言を受けたフランクも普通に笑顔なんですよ。「アルファベット順だと?」って、が変な顔しててもおかしくないんですけど、ここで双方のつきものが落ちている。

アニーがしたたかさを身に着けてフランクはそれに気づかず勝った気になっているかわいいおばかさん、ではなく、フランクもある程度わかっていて、アニーも一度だけ(しかし盛大に)折れたってことで……。もしこのあとの話があるとしたら、フランクは今までのように「どちらが優位か」にはこだわらないんじゃないかな、とまで思います。

このカップルの話としては、これでよかったんだな!! ああ見直してよかった。

(そしてこのエントリに加筆している際に、「そうだそもそもアニーはフランクについていきたくてショウの世界に入ったんであって、最初っからそう言ってたじゃないか」と気づいたので、さらにこのエンドで納得したという……再見って大事……。)

 

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『アニーよ銃をとれ』は、ミュージカルと映画のほかに、同一タイトルで内容が異なるTVシリーズもありますので、諸々お買い求めの際はご注意くださいね。レンタルだとこの映画版しかそもそもないと思いますが、音楽CDだとミュージカル版になってくると思います。

総集編とか傑作選というもの、アニーのドレスが青いものはTVシリーズで、こちらは一話完結勧善懲悪ものの西部劇です。商品情報をよくよくお確かめくださいませ。

 

 

 

 

 

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